いろいろな意匠研磨②バイブレーション仕上げ
2021.12.08
「ふるえること」「振動」「声や音を震わせること」
これらはある言葉の意味を辞書で引いたものなのですが、なんという言葉か…皆さん分かりますか?
答えは「バイブレーション」。
もうお分かりの方もいるかもしれませんね。
今回はステンレス意匠研磨「バイブレーション仕上げ」についてご紹介します。
前回ご紹介した鏡面仕上げは、ステンレスの表面を鏡のようにピカピカにする研磨でしたがバイブレーション仕上げは、細かい模様を表面につけていく研磨です。
波線のような細かい模様が無数についているのが分かりますか。
この細かい模様がステンレス表面の光沢を適度に押さえ、落ち着いたシックな雰囲気をもたらしてくれるのです。
さてそんなバイブレーション仕上げは、ビルエントランスの自動ドア、エレベーターの扉や操作ボタンなど人やモノが多く出入りする場所によく使われています。
どうしてでしょう?
人やモノが多く出入りする場所は、いろんなモノが当たったり擦れたりすることも多いのでキズがつきやすい場所ともいえます。
対してバイブレーション仕上げは、表面の模様がとても細かくて、直線的でもない一定方向でもないので、そうしたキズを目立たなくしてくれるのです。
見た目の美しさやシックな雰囲気が好まれているのはもちろんですが、キズを目立たなくしてくれる機能的な面も多く使われている理由なのです。
さてそんなバイブレーション仕上げをわたしたち太華工業では、機械研磨方式で作りあげています。
(お時間があればぜひ以前のコラム「機械研磨方式」もご覧ください)
http://www.taika.co.jp/column/column003.html
鏡面研磨と同様、バイブレーション仕上げの研磨方法も一律ではなく、素材の選定から模様の強弱、どのような使われ方をされるのかなどをお客様や社内でこまかく摺合せをしながら作りあげていきます。
最近ではステンレス以外のアルミや銅などの素材にバイブレーション研磨をすることも増えてきました。
皆さまにもっともっと身近に感じていただけるよう、これからも頑張ります!
…ところで、バイブレーションという名前の由来には諸説あるようです。
わたしは、あの模様が震えて揺れているように見えるから名付けられたのでは?と推理しているのですが、皆さんはいかがですか?
いかがだったでしょうか?
今回のステンレスコラム「いろいろな意匠研磨②バイブレーション仕上げ」。
次回はまた異なる意匠研磨仕上げをご紹介しますので、ぜひ楽しみにしていてください。
私たちは、皆さまにステンレスをより知ってもらい、親しみを感じてもらうことでステンレスの可能性をもっともっと広げていきたいと考えています。
「そういうことだったのか」「これってステンレスだっけ?」「このステンレスはどうやって作られたんだろう」
このコラムを通じて、ステンレスが皆さまのふだんの生活により身近な存在になれればと思っています。
次回以降も、ぜひお楽しみに。